ライトノベル とある魔術の禁書目録9 10 レビュー

タイトル とある魔術の禁書目録910
著者 鎌池和馬
イラスト 灰村キヨタカ
出版 電撃
発売日 2006年4月〜2006年5月


執筆者:jade 評価:B→A
7日間にわたって開催される学園都市総合体育祭「大覇星祭」。
一般の来場者を招くため警備が甘くなるこの期に乗じて、とある魔術師が学園都市に侵入した。
オリアナ=トムソン。
魔術業界屈指の「運び屋」の彼女は、謎の霊装『刺突杭剣(スタブソード)』の取引場所に学園都市を選んだのだ。
オリアナらの思惑に嵌り、学園都市に表立って踏み込めないイギリス清教は、学園都市内に知人のいるステイルと土御門の二人だけに事件の解決を委ねる。
そして、「大覇星祭」を純粋に楽しんでいた平凡な高校生・上条当麻は、不幸にも二人の会話を耳にしたことによって、いつものように事件に巻き込まれることになる───
というのが導入部で、今回は9,10巻で完結する上下巻構成となっています。

ん〜、シリアスパートのストーリーは中の中って感じかな。
冷徹になれず情に流されるステイル、自らの身体を犠牲にして魔術を行使する土御門、そしてここぞという場面で(特に大切な人を傷つけられたときの)青臭いくらい真っ直ぐなセリフを吐く当麻。
いつものように登場人物たちは(無駄にw)熱いことこの上なく、非常に好感が持てるのですが、バトル部分がイマイチだったのが減点材料。
逃亡するオルソナを追い詰める展開に終始した9巻はオルソナが専守防衛に徹していたため迫力不足が否めないし、10巻でのオルソナとの最終決戦は圧倒的な実力差を気持ちだけで覆した強引な力技だしね。
しかもラストは相手の調査不足と偶然に助けられただけのご都合主義な結末。
う〜ん、文章力や構成力に関しては毎回進歩が見られるんだけど、シナリオだけは一向に変わってこないんだよなぁ…
でも私的にはシナリオにはまったく期待してないので、これくらいのクオリティを保ってくれれば問題ないんですけどね(笑

この小説の魅力は何といってもラブコメパート
ビリビリツンデレ中学生・御坂美琴がヒロインの地位を(あくまでも読者の中でw)確立した3巻辺りからラブコメ部分が主人公の熱さと同等の魅力を持つようになり、巻を重ねるごとに魅力あるヒロインが増えていった現在では押しも押されぬ立派なラブコメ作品に。
一時はマンネリ化が進んでどうなることかと思いましたが、ここ最近のラブコメ展開はまさに神。もはや「ライトノベルのラブコメNO.1作品」と呼んでも過言ではありませんね。

当麻が美琴に「勝った方が負けた方に何でも言うことを聞かせる」という罰ゲームを取り付けた9巻の冒頭から
「おおっ!今回のヒロインは今度こそ今度こそ美琴か!」
…と思いきや、今回も他のヒロインにおいしいところを持ってかれて出番の少ない美琴でした(´・ω・`)
ううう、相変わらず美琴は報われないなぁ(´Д⊂
…でもそこが可愛いんですけどね!

そんなわけで今回のヒロインは9巻が新キャラの吹寄制理、10巻が2巻でヒロインを務めた姫神秋沙となっています。
いや、この二人が萌えること萌えること!

まずは“対カミジョー属性完全ガードの女”こと吹寄制理。
どんな相手でもラブコメ展開に持っていく脅威のスキル“カミジョー属性”の餌食にかかり、びしょ濡れになって体操服から下着が透けたり、着替え中に教室に踏み込まれてショーツ1枚の姿を見られたり、当麻の右頬に大きな胸を押し付けたり、手を繋いで歩いたり、おでことおでこが軽くぶつかったり、鼻と鼻の先が少し触れたりしちゃうんですよ!
や、普段クールな制理だからこそ、この何気ないエピソードが何倍にも破壊力を増すんですよね。
上記のようなエピソードが1つ出るたびに顔のにやけが押さえられず、終いには
せいりー!!!大好きだー!!!
って、叫んじゃいましたよ(笑

それにしても声だけ聞かれたら特殊な趣味のある変態さんに思われそうだなw

そして“吸血殺し”こと姫神秋沙。
2巻のときは“萌えないヒロイン”の代名詞のような存在だったのに、しばらく見ないうちに“秘めた想いを言い出せない卑屈っ子”という萌えスキルを身につけやがりましたよ!
いや、感情移入が出来るせいかこういう卑屈っ子って大好きなんですよね♪
それから自分の身体よりも当麻が傷つくことを心配した『行間五』のエピソードなんかもストライクゾーンど真ん中。
今となっては珍しいこの大和撫子的な奥ゆかしさが可愛すぎですにゃー♪

それ以外にも噛み付くことに恥じらいを覚えたインデックスとか、間接キスに赤くなる美琴とか、ロリ娘に弱いステイルとか、ラブコメパートでは終始ニヤニヤしっぱなしでしたね。
いや、今回も期待に漏れず上質なラブコメを味わうことができました。

個人的にはそれぞれ“A+”“S+”を付けたいくらいラブコメパートが素晴らしかったのですが、戦闘パートがイマイチだった分、“B+”“A+”留めておきました。


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